高血圧を認めたならば、薬を飲む前にまずやらなければならないことがあります。それは減塩です。日本人の約半数は食塩感受性です。食塩感受性とは、摂った塩分を尿に排出せずに、体の中にため込む性質です。この性質を持った人は、血液中の高くなった塩分濃度を下げるために、飲水量は増えますが、尿量は減少します。結果的に体の総水分量は増加するのですが、それを収納する血管の容積は変わらないので、血圧が上昇するのです。
日本人の平均食塩摂取量は10g/日で、摂取塩分の9割は、しょうゆと味噌の食物加工品由来です。自分が一日どの程度の食塩を摂取しているのかは、尿検査で推定可能です。尿中のNa/Cr比を測定し計算します。一般の病院でできる検査ですので、現在の自分の状態をご存知になりたい方は、かかりつけ医に相談されると良いでしょう。
また、食物にどの程度の塩分が入っているのか。とても便利なツールがあります。汁物であれば、その食事に含まれる塩分量を計測できる塩分計です。患者さんのお一人が紹介してくれました。塩を余り使わなくても、ダシを上手く使うことでおいしく料理をつくることができると言われていました。
高血圧治療で薬以外の方法でどの程度血圧が下がるかを示したグラフです。減塩、DASH食(野菜、果物)の摂取、減量、運動、節酒が重要です。出典 高血圧治療ガイドライン 2014。 |
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