2014年8月19日火曜日

カテーテルアブレーション時の被爆について

福島の原発事故をきっかけに、医療被曝の危険性にも注意が向けられ、心房細動アブレーションに伴う被曝線量を聞かれることが多くなっています。そこで、当院でのアブレーション中の被曝線量を実測してみました。

120人の心房細動アブレーションを実施した際の、入射皮膚線量は平均で175mGyでした。この被曝線量はどの程度危険なのか?

名古屋大学、瀬口先生の人体モデルを用いた実験によると、心房細動アブレーション実施時の入射皮膚線量は700mGyで、実効線量が34.8mSvでした。条件が異なるので、この実験結果をそのまま当院の結果に当てはめることはできませんが、当院での心房細動アブレーションによる入射皮膚線量が175mGyであることを考慮すると、実効線量は8~10mSvであることが考えられます。

今まで、「実効線量が100mSv以下では、がん死亡の危険性が増すという報告はない」ということを考慮すると、当院での心房細動アブレーションに伴う被曝線量程度で、がん死亡の危険性が増すという心配はしなくても良いと思われます。

先日、心腔内エコーの視察でカナダに行ってきました。ナイアガラ瀑布の滝です。