2017年1月10日火曜日

たばこと心房細動

心房細動の患者さんの診察中に、夫の喫煙を止めさせたい奥様から、「たばこは心房細動の原因にならないのですか?」と良く質問されます。

「たばこと心房細動」その両者の関係を調べた疫学的研究が6つあります。その内2つの研究は両者に関係はないとしていますが、他の4つの研究は、喫煙は心房細動の危険因子であると指摘しています。喫煙により1.5倍心房細動を引き起こしやすくなるようです。

実験ではニコチンにより心筋に線維化が起こることも判明しました。線維化した心筋では電気がスムーズに流れなくなり、一旦始まった心房細動が続きやすくなってしまいます。これは持続性心房細動のメカニズムの一つの心房細動基質という状態です。

禁煙することで、心房細動の発症率は非喫煙者と同等になることも明らかにされています。喫煙者は平均で10年寿命は短くなりますが、30歳、40歳、50歳、60歳で禁煙すると、それぞれ、10年、9年、6年、3年、寿命を稼ぐことができます。できるだけ早期に禁煙することが重要です。


東京ハートリズムクリニックから西の方を見た風景です。
この中に小さいのですが、私の大好きな以前登ったところが写っています。