2013年12月18日水曜日

過ぎたるは及ばざるが如し 激しい運動は心房細動発症のリスクになります

心房細動の原因は大雑把にいうと、3つあり、加齢、心疾患、飲酒です。心疾患の中には、高血圧、弁膜症、心筋梗塞、心不全などがあります。飲酒が心房細動を引き起こすことは前にも書きました。では生活習慣の一つとして、運動は心房細動の原因になるのか。よく聞かれる質問です。

適度な運動は、心房細動発症の原因になるようなことはありません。しかしながら、激しい運動は心房細動の原因になりえます。1万6千人の健康成人を調べ、各人の運動量を1週間に0回、1回、1~2回、3~4回、5~7回に分けて、その後の心房細動発症との関係を調べた研究があります。それによると、50歳以下の人に限定すれば、週に5~7回運動する人は、週に0回の人に比べ、1.7倍の多さで心房細動を発症したのです(1)。

またアスリートと非アスリートの心房細動発症率を比較した6試験のメタ解析によると、アスリートは非アスリートに比べて、5.29倍(オッズ比)心房細動になりやすいと報告されました(2)。

健康になろうとして、過度な運動をなされる方がいらっしゃいますが、「過ぎたるは及ばざるが如し」、ほどほどがよろしいかと思われます。
6つの試験すべてで、アスリートが非アスリートに比べ、心房細動を発症する危険性が高いことが分かります。参考文献 2より。


参考文献 (1) Aizer A, et al. Am J Cardiol 2009;103:1572
参考文献 (2) Abdulla J, et al. Europace 2009;11:1156

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