2013年12月16日月曜日

心房細動起源

私が学生、もしくは医者になりたての頃は、心房細動は不治の病と教わりました。薬では完全に治らないので、だまし、だまし治療するしかない。上司からは「心房細動はその内慢性化するので、そうすると自覚症状も自然に和らいでくるので心配ない」と言われ、それで本当に良いのか?と騙されたような複雑な気持ちでした。

その心房細動が根治可能なことを発見したのは、フランスのハイサゲール先生という人です。彼は1998年に偉大な研究を行いました。心房細動が起こる瞬間の、心臓の中の電気興奮を観察し、心房細動の起源を突き止めたのです。発作性心房細動の9割は、肺静脈から発症すると発表したのです。

彼は同時に個別肺静脈隔離術という方法も発表しました。それを当院の高橋が、左右それぞれ2本づつある肺静脈を、個別ではなく同時に一括隔離するように修正変更し、それが今や世界の標準的方法になっているのです。

下の図は、当院で記録された、右上肺静脈起源の心房細動です。心房細動起源は興奮間隔が0.076秒という非常に短い間隔で、高頻度に興奮し、その後心房細動を発症しています。心房細動アブレーションの際には、基本的にはこのような、高頻度興奮する場所を探して、焼灼治療しています。

赤矢印が心房細動起源の興奮です。興奮間隔は0.076秒と非常に短い間隔で高頻度興奮しています。その後心房細動が発症しています。参考文献 (1)より。

参考文献 (1) 桑原大志 心房細動に対するカテーテルアブレーションの適応と実際 Medicina 2013:50

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