その大村益次郎やまた福沢諭吉の師は適塾の緒方洪庵先生です。彼は「医師というものは、とびきりの親切者以外は、なるべきしごとではない」「病人を見れば相手がたれであろと、可哀そうでたまらなくなるという性分の者以外は医師になるな」と説いています。
ドイツのフーフェランドの格言を緒方洪庵先生が訳した「扶氏医戒乃略」はいわば「医師の心得」が書かれており、私の拠り所しているところがいくつかあります。その一つに「医師は、毎日、夜は昼間に診た病態について考察し、詳細に記録することを日課とすべきである。これらをまとめて一つの本を作れば、自分のみならず、病人にとっても大変有益となる」というのがあります。
現代でも同じ。実際の治療中に目の前で起きていることは、教科書などには書かれていないことばかりです。その際に気づいた所見を記録し、それをまとめる、現代では論文にすることは、自分にも他の医師にも、ひいては患者さんにも有益なことだと思われます。不整脈のメカニズムにはまだまだ不明な点も多く、それをどのように明らかにして、治療していくかということを朝から晩まで考えぬいて、始めて良い治療ができるのだと思います。
司馬遼太郎先生の「花神」文庫本の表紙です。司馬遼太郎先生の本はほとんど読みましたが、特に「花神」は私のお気に入りです。私の故郷の愛媛県も出てきます。 |
0 件のコメント:
コメントを投稿