脳梗塞を引き起こす原因となり、切除されてもとくに不都合を生じないような心耳を、どうして神様は創り給うたのか。心耳は胎生期(母親の胎内にいる頃)には、原始心房としてポンプ機能をもって働いています。胎内で心臓が成長してくると、肺静脈の一部が左右の心房に変化し、原始心房は心耳として残されるのです。心耳には、胎生期にポンプ機能を果たすために必要であった心筋が櫛状に残存し、そこに血液が停滞しやすいので、血栓の温床部位となってしまうのです。
同じ様な患者さんが沢山いらっしゃる訳ではないかもしれませんが、非常に重要な治療だと思います。横須賀にも一度来ていただいて、手術をお願いしたことがあり、見学させていただきましたが、素晴らしい技術でした。
黄色で取り囲まれた物が左心耳に形成された血栓です。抗凝固療法を実施されていない患者さんにできていました。その後ワルファリンを開始し、この血栓は次第に消失し、脳梗塞を合併せずにすみました。
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参考文献
(1)Ohtsuka T, Ninomiya M, Nonaka T, Hisagi M, Ota T, Mizutani T. Thoracoscopic Stand-Alone Left Atrial Appendectomy for Thromboembolism Prevention in Nonvalvular Atrial Fibrillation. J Am Coll Cardiol. 2013;62:103–107.
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